A2218とは?【強度・比重・ヤング率・硬度】機械的性質と使い方

ここでは、A2218を使って機械部品の設計するときに必要な情報として、化学成分や機械的性質などJIS規格の内容を整理しました。

また、比重やヤング率などの物理的性質や、A2218の使い方や耐食性、加工性や溶接性などについてもまとめました。

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A2218とは

A2218 熱処理型合金 Al-Cu-Mg系合金

A2218は鍛造用のアルミ合金です。

鍛造性に優れ、高温強度が高いので、耐熱性が必要な機械部品に使用されます。

A2218の強度は?機械的性質まとめ

A2218の機械的性質を下記に示します。

【A2218の機械的性質(目安値)】

材質 引張性質 ブリネル硬さ
(HBS 10/500)
せん断強さ
(N/mm2
疲れ強さ
(N/mm2
引張強さ
(N/mm2
耐力
(N/mm2
伸び(%)
1.6mm厚
(50mm)
12.5mm径
(5D)
2218-T72 330 255 9 95 205

ここにあるA2218の機械的性質はあくまで目安値となります。実際にはサイズや条件により大幅に変化しますのでご注意ください。

規格値については、下記のJISにて、質別や材料寸法によってA2218の機械的性質が詳細に規定されていますので必要に応じてJISにてご確認ください。

A2218の物理的性質

A2218の物理的性質は下表のとおりです。これは代表値ですのでご注意ください。
【A2218の物理的性質)】

物理的性質 条件 物性値
密度[g/cm3] 温度:20℃ 2.80
比重 温度:20℃ 2.80
溶融温度範囲[℃] 532~635
導電率[IACS%] 質別:T72 40
熱伝導度[kW/(m・℃)] 25℃ 質別:T72 0.15
縦弾性係数(ヤング率)[GPa] 質別:T72 74.4
横弾性係数[GPa] 質別:T72 27.5
ポアソン比 質別:T72 0.3
線膨張係数[10-6/℃] -196~-60℃
-60~+20℃
20~100℃ 22.4
100~200℃
200~300℃

A2218の成分

A2218の成分は下記のとおりです。

【A2218の化学成分(%)]

Si Fe Cu Mn Mg
0.9以下 1.0以下 3.5~4.5 0.20以下 1.2~1.8
Cr Zn Ni Ti その他 Al
個々 合計
0.10以下 0.25以下 1.7~2.3 0.05以下 0.15以下 残部

A2218の関連規格

A2218は下記のJIS規格で規定されています。

規格番号 規格名称 A2218の規定有無
JIS H4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JIS H4040 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線
JIS H4080 アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管
JIS H4100 アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材
JIS H4140 アルミニウム及びアルミニウム合金鍛造品

A2218の使い方ワンポイント

A2218の特徴は下記のとおりです。

合金 質別 耐食性 耐応力腐食割れ性 成形性 切削性 ろう付け性 溶接性 鍛造性
ガス アルゴン 抵抗
2218 T72 D C B D D B B D

優:A→B→C→D:劣(切削性のみ:優:A→B→C→D→E:劣)

A2218の使い方

A2218は、高温での強度が優れているので、鍛造で作る航空機用エンジンの部品に使われます。

鍛造は可能ですが、鍛造性は良くないので一般的な機械部品ではコストの問題が考えられます。

この記事を書いた人
DD
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機械設計の仕事をしているエンジニアのDDと申します。
技術士(機械)の資格をもっています。
このブログでは、機械技術から日常の中の科学まで、私が興味を持ったことをできるだけ解りやすく紹介しています!

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