A5042とは?【強度・比重・ヤング率】機械的性質と使い方

ここでは、アルミニウム合金A5042を使って機械部品の設計するときに必要な情報として、化学成分や機械的性質などJIS規格の内容を整理しました。

また、比重やヤング率などの物理的性質や、A5042の使い方や耐食性、溶接性などについてもまとめました。

スポンサーリンク

A5042とは

A5042 非熱処理型合金 Al-Mg系合金

A5042は、A5052とA5182の中程度の強度の合金です。

耐食性や成形性に優れており、飲料用缶などに使用されます。

A5042の強度は?機械的性質まとめ

A5042の機械的性質を下記に示します。

【A5042の機械的性質(規格値)】

材質 厚さ(mm) 引張試験(板厚0.2超え0.5以下)
引張強さ(N/mm2 耐力(N/mm2 伸び(%)
5042P-H18,H38 0.15以上、0.5以下 300以上 3以上
5042P-H19,H39 0.15以上、0.5以下 315以上 1以上

上記の値は、JIS H4000(アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条)で規定されている機械的性質です。

材料のサイズ、質別により大きく変化するため、上記の範囲外の場合は個別の規定が必要です。

A5042の物理的性質

A5042の物理的性質は下表のとおりです。これは代表値ですのでご注意ください。

【A5042の物理的性質)】

物理的性質 条件 物性値
密度[g/cm3] (アルミニウムの標準値) 2.7
比重 (アルミニウムの標準値) 2.7
溶融温度範囲[℃]
導電率[IACS%]
熱伝導度[kW/(m・℃)]
縦弾性係数(ヤング率)[GPa] (アルミニウムの標準値) 70
横弾性係数[GPa] (アルミニウムの標準値) 26
ポアソン比 (アルミニウムの標準値) 0.33
線膨張係数[10-6/℃] -196~-60℃
-60~+20℃
20~100℃
100~200℃
200~300℃

A5042の成分

A5042の成分は下記のとおりです。

【A5042の化学成分(%)]

Si Fe Cu Mn Mg
0.20以下 0.35以下 0.15以下 0.20~0.50 3.0~4.0
Cr Zn V,Bi,Pb,Zr, Niなど Ti その他 Al
個々 合計
0.10以下 0.25以下 0.10以下 0.05以下 0.15以下 残部

A5042の関連規格

A5042は下記のJIS規格で規定されています。

規格番号 規格名称 A5042の規定有無
JIS H4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JIS H4040 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線
JIS H4080 アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管
JIS H4100 アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材
JIS H4140 アルミニウム及びアルミニウム合金鍛造品

A5042の使い方ワンポイント

A5042の特徴は下記のとおりです。

A5042の使い方

A5042は、A5052とA5083の中間の特性を持つ材料が必要な場合に選択すると良いでしょう。

耐食性、強度のバランスが良く、溶接性も良いので、幅広い用途に使用可能です。

この記事を書いた人
DD
DD

機械設計の仕事をしているエンジニアのDDと申します。
技術士(機械)の資格をもっています。
このブログでは、機械技術から日常の中の科学まで、私が興味を持ったことをできるだけ解りやすく紹介しています!

DDをフォローする
アルミニウム
スポンサーリンク
シェアする