A5021とは?【強度・比重・ヤング率】機械的性質と使い方

ここでは、アルミニウム合金A5021を使って機械部品の設計するときに必要な情報として、化学成分や機械的性質などJIS規格の内容を整理しました。

また、比重やヤング率などの物理的性質や、A5021の使い方や耐食性、加工性や溶接性などについてもまとめました。

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A5021とは

A5021 非熱処理型合金 Al-Mg系合金

A5021は、5000番台の汎用材であるA5052と同程度の強度があり、耐食性や成形性も良い材質です。 飲料缶などに向いています。

A5021の強度は?機械的性質まとめ

A5021の機械的性質は下記のとおりです。

【A5021の機械的性質(規格値)】

材質 引張試験(板厚0.15mm超え0.5mm以下)
引張強さ(N/mm2 耐力(N/mm2 伸び(%)
5021P-H18、H38 260以上 3以上
5021P-H19、H39 270以上 1以上

上記はJISH4000の規格値の一部です。

材料の板厚、質別により大きく変化するため、上記以外の板厚や質別については、個別に規定する必要があります。

A5021の物理的性質

A5021の物理的性質は下表のとおりです。これは代表値ですのでご注意ください。

【A5021の物理的性質)】

物理的性質 条件 物性値
密度[g/cm3] (アルミニウムの標準値) 2.7
比重 (アルミニウムの標準値) 2.7
溶融温度範囲[℃]
導電率[IACS%]
熱伝導度[kW/(m・℃)]
縦弾性係数(ヤング率)[GPa] (アルミニウムの標準値) 70
横弾性係数[GPa] (アルミニウムの標準値) 26
ポアソン比 (アルミニウムの標準値) 0.33
線膨張係数[10-6/℃] -196~-60℃
-60~+20℃
20~100℃
100~200℃
200~300℃

A5021の成分

A5021の成分は下記のとおりです。

【A5021の化学成分(%)]

Si Fe Cu Mn Mg
0.40以下 0.50以下 0.15以下 0.10~0.50 2.2~2.8
Cr Zn V,Bi,Pb,Zr, Niなど Ti その他 Al
個々 合計
0.15以下 0.15以下 0.05以下 0.15以下 残部

A5021の関連規格

A5021は下記のJIS規格で規定されています。

規格番号 規格名称 A5021の規定有無
JIS H4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JIS H4040 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線
JIS H4080 アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管
JIS H4100 アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材
JIS H4140 アルミニウム及びアルミニウム合金鍛造品

A5021の使い方ワンポイント

A5021の特徴は下記のとおりです。

A5021の使い方

A5021は、A5052と比較して、Si、Fe、Cu、Znの上限がやや高く、Mnは少し多くなり、Crは少し少なくなっています。

Mgの含有量は同じなので、強度は同等です。

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DD
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機械設計の仕事をしているエンジニアのDDと申します。
技術士(機械)の資格をもっています。
このブログでは、機械技術から日常の中の科学まで、私が興味を持ったことをできるだけ解りやすく紹介しています!

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