A3104とは?【強度・比重・ヤング率】機械的性質と使い方

機械部品にアルミニウム合金A3104を適用して設計するときに必要になる情報を整理しました。

化学成分、機械的性質、比重、ヤング率などや、A3104の使い方などもまとめています。

スポンサーリンク

A3104とは

A3104 非熱処理型合金 Al-Mn系合金

A3104はA3003よりも強度が高く、成形性や耐食性に優れています。

飲料缶やドアパネル材などに向いています。

A3104の強度は?機械的性質まとめ

A3104の機械的性質は下記のとおりです。

【A3104の機械的性質(目安値)】

材質 引張試験(板厚0.2超え0.5以下)
引張強さ(N/mm2 耐力(N/mm2 伸び(%)
3104-O 155以上 195以下 60以上 10以上

上記はJISH4000の規格値の一部です。

材料のサイズ、質別により大きく変化するため、必要に応じてJISでご確認ください。

A3104の物理的性質

A3104の物理的性質は下表のとおりです。但しA3104の値ではなくアルミニウムの標準値ですのでご注意ください。

【A3104の物理的性質)】

物理的性質 条件 物性値
密度[g/cm3] (アルミニウムの標準値) 2.7
比重 (アルミニウムの標準値) 2.7
縦弾性係数(ヤング率)[GPa] (アルミニウムの標準値) 70
横弾性係数[GPa] (アルミニウムの標準値) 26
ポアソン比 (アルミニウムの標準値) 0.33

A3104の成分

A3104の成分は下記のとおりです。

【A3104の化学成分(%)]

Si Fe Cu Mn Mg
0.6以下 0.8以下 0.05~0.25 0.8~1.4 0.8~1.3
Cr Zn V,Bi,Pb,Zr,
Niなど
Ti その他 Al
個々 合計
0.25以下 Ga0.05以下、V0.05以下 0.10以下 0.05以下 0.15以下 残部

A3104の関連規格

A3104は下記のJIS規格で規定されています。

規格番号 規格名称 A3104の規定有無
JIS H4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JIS H4040 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線
JIS H4080 アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管
JIS H4100 アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材
JIS H4140 アルミニウム及びアルミニウム合金鍛造品

A3104の使い方ワンポイント

A3104の特徴は下記のとおりです。

A3104の使い方

A3104は、純アルミにMnを添加することで若干強度を高めた合金で、耐食性や成形性は純アルミに近い良好な特性を持ちます。

建築用として、屋根板、ドアパネル、カラーアルミなどに使われ、電気器具や飲料缶にも使用できます。

成形性が良く強度がある程度必要な用途に適します。

この記事を書いた人
DD
DD

機械設計の仕事をしているエンジニアのDDと申します。
技術士(機械)の資格をもっています。
このブログでは、機械技術から日常の中の科学まで、私が興味を持ったことをできるだけ解りやすく紹介しています!

DDをフォローする
アルミニウム材料金属材料
スポンサーリンク
シェアする