A2025とは?【強度・比重・ヤング率・硬度】機械的性質と耐食性

ここでは、アルミニウム合金A2025を使って機械部品の設計するときに必要な情報として、化学成分や機械的性質などJIS規格の内容を整理しました。

また、比重やヤング率などの物理的性質や、A2025の使い方や耐食性、加工性や溶接性などについてもまとめました。

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アルミ合金A2025とは

A2025熱処理型合金Al-Cu-Mg系合金

A2025は鍛造材で、鍛造性が良く強度が高い材質です。

航空機部品などに使用されます。

A2025の強度は?機械的性質まとめ

A2025の機械的性質を下記に示します。

【A2025の機械的性質(目安値)】

材質引張性質ブリネル硬さ
(HBS 10/500)
せん断強さ
(N/mm2
疲れ強さ
(N/mm2
引張強さ
(N/mm2
耐力
(N/mm2
伸び(%)
1.6mm厚
(50mm)
12.5mm径
(5D)
2025-T640025517110240125

ここにあるA2025の機械的性質はあくまで目安値となります。実際にはサイズや条件により大幅に変化しますのでご注意ください。

規格値については、下記のJISにて、質別や材料寸法によってA2025の機械的性質が詳細に規定されていますので必要に応じてJISにてご確認ください。

A2025の物理的性質

A2025の物理的性質は下表のとおりです。これは代表値ですのでご注意ください。

【A2025の物理的性質)】

物理的性質条件物性値
密度[g/cm3](アルミニウムの標準値)2.7
比重(アルミニウムの標準値)2.7
溶融温度範囲[℃]
導電率[IACS%]
熱伝導度[kW/(m・℃)]
縦弾性係数(ヤング率)[GPa](アルミニウムの標準値)70
横弾性係数[GPa](アルミニウムの標準値)26
ポアソン比(アルミニウムの標準値)0.33
線膨張係数[10-6/℃]-196~-60℃
-60~+20℃
20~100℃
100~200℃
200~300℃

A2025の成分

A2025の成分は下記のとおりです。

【A2025の化学成分(%)]

SiFeCuMnMg
0.50~1.21.0以下3.9~5.00.40~1.20.05以下
CrZnZr、Zr+Ti、V、NiTiその他Al
個々合計
0.10以下Zn0.25以下0.15以下0.05以下0.15以下残部

A2025の関連規格

A2025は下記のJIS規格で規定されています。

規格番号規格名称A2025の規定有無
JIS H4000アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JIS H4040アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線
JIS H4080アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管
JIS H4100アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材
JIS H4140アルミニウム及びアルミニウム合金鍛造品

A2025の使い方ワンポイント

A2025の特徴は下記のとおりです。

A2025の使い方

A2025は、Cuを最大5%含むアルミ合金なので、強度は高いですが、耐食性には劣ります。

特に応力腐食割れには弱いので、適用する際には耐食性の評価や防食対策の検討が必要となります。

この記事を書いた人
DD

機械設計の仕事をしているエンジニアのDDと申します。
技術士(機械)の資格をもっています。
このブログでは、機械技術から日常の中の科学まで、私が興味を持ったことをできるだけ解りやすく紹介しています!

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