A3103とは?【強度・比重・ヤング率・硬度】機械的性質と使い方

アルミニウム合金A3103で機械部品設計を行うために、機械的性質、比重、ヤング率、などの物理的性質や、使う上での注意事項などの情報をまとめました。

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A3103とは

A3103非熱処理型合金Al-Mn系合金

A3103は、純アルミより強度が若干高く、成形性、溶接性、耐食性にも優れた特性が有ります。

各種容器、船舶や建築用途にも適しています。

A3103の強度は?機械的性質まとめ

A3103の機械的性質は以下に示すとおりです。

【A3103の機械的性質(規格値)】

材質引張試験(板厚130超え150以下)
引張強さ(N/mm2耐力(N/mm2伸び(%)
3103-O95以上35以上20以上

上記のA3103の機械的性質は、JIS H4080にある押出管の規格値です。

サイズや質別によっても大幅に変化しますのでご注意ください。

A3103の物理的性質

A3103の物理的性質は以下とおりです。これはアルミニウムの代表値となります。

【A3103の物理的性質)】

物理的性質条件物性値
密度[g/cm3](アルミニウムの標準値)2.7
比重(アルミニウムの標準値)2.7
縦弾性係数(ヤング率)[GPa](アルミニウムの標準値)70
横弾性係数[GPa](アルミニウムの標準値)26
ポアソン比(アルミニウムの標準値)0.33

A3103の成分

JISで規定されたA3103の化学成分は以下のとおりです。

【A3103の化学成分(%)]

SiFeCuMnMg
0.50以下0.7以下0.10以下0.9~1.50.30以下
CrZnV,Bi,Pb,Zr,
Niなど
Tiその他Al
個々合計
0.10以下0.20以下Zr+Ti0.10以下0.05以下0.15以下残部

A3103の関連規格

A3103に関する規定は、以下のJIS規格に掲載があります。

規格番号規格名称A3103の規定有無
JIS H4000アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JIS H4040アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線
JIS H4080アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管
JIS H4100アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材
JIS H4140アルミニウム及びアルミニウム合金鍛造品

A3103の使い方ワンポイント

A3103の使い方は以下のとおりです。

A3103の使い方

A3103は、純アルミの耐食性や冷間加工性をそのままに、Mnを添加することで強度を上げたアルミ合金です。

溶接やろう付けも可能なので、熱交換器やプレス加工電気器具などに使用できます。

この記事を書いた人
DD

機械設計の仕事をしているエンジニアのDDと申します。
技術士(機械)の資格をもっています。
このブログでは、機械技術から日常の中の科学まで、私が興味を持ったことをできるだけ解りやすく紹介しています!

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