A7475とは?【強度・比重・ヤング率】機械的性質と使い方

ここでは、アルミニウム合金A7475を使って機械部品の設計するときに必要な情報として、化学成分や機械的性質などJIS規格の内容を整理しました。

また、比重やヤング率などの物理的性質や、A7475の使い方などについてもまとめました。

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A7475とは

A7475 熱処理型合金 Al-Zn-Mg-Cu系合金

A7475は、A7075と同程度の強度があり、靭性が優れています。

A7075の不純物を減らし結晶粒を微細化するなどにより性能を高めています。

航空機用材料などに使用されます。

A7475の強度は?機械的性質まとめ

A7475の機械的性質を下記に示します。

【A7475の機械的性質(目安値)】

材質 引張性質 ブリネル硬さ
(HBS 10/500)
せん断強さ
(N/mm2
疲れ強さ
(N/mm2
引張強さ
(N/mm2
耐力
(N/mm2
伸び(%)
1.6mm厚
(50mm)
12.5mm径
(5D)
7475-T61 565 490 11
7475-T651 585 510 13
7475-T7351 495 420 13
7475-T761 515 450 12
7475-T7651 530 460 12

ここにあるA7475の機械的性質はあくまで目安値となります。

実際にはサイズや条件により大幅に変化しますのでご注意ください。

規格値については、下記のJISにて、質別や材料寸法によってA7475の機械的性質が詳細に規定されていますので必要に応じてJISにてご確認ください。

A7475の物理的性質

A7475の物理的性質は下表のとおりです。これは代表値ですのでご注意ください。

【A7475の物理的性質)】

物理的性質 条件 物性値
密度[g/cm3] (アルミニウムの標準値) 2.7
比重 (アルミニウムの標準値) 2.7
溶融温度範囲[℃]
導電率[IACS%]
熱伝導度[kW/(m・℃)]
縦弾性係数(ヤング率)[GPa] (アルミニウムの標準値) 70
横弾性係数[GPa] (アルミニウムの標準値) 26
ポアソン比 (アルミニウムの標準値) 0.33
線膨張係数[10-6/℃] -196~-60℃
-60~+20℃
20~100℃
100~200℃
200~300℃

A7475の成分

A7475の成分は下記のとおりです。

【A7475の化学成分(%)]

Si Fe Cu Mn Mg
0.10以下 0.12以下 1.2~1.9 0.06以下 1.2~1.9
Cr Zn V,Bi,Pb,Zr, Niなど Ti その他 Al
個々 合計
0.18~0.25 5.2~6.2 0.06以下 0.05以下 0.15以下 残部

A7475の関連規格

A7475は下記のJIS規格で規定されています。

規格番号 規格名称 A7475の規定有無
JIS H4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JIS H4040 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線
JIS H4080 アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管
JIS H4100 アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材
JIS H4140 アルミニウム及びアルミニウム合金鍛造品

A7475の使い方ワンポイント

A7475の特徴は下記のとおりです。

A7475の使い方

A7475はA7075の破壊靭性を高めた合金です。

A7075からの代替え用途に適します。

強度は高いですが耐食性にお取りますので注意が必要です。

この記事を書いた人
DD
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機械設計の仕事をしているエンジニアのDDと申します。
技術士(機械)の資格をもっています。
このブログでは、機械技術から日常の中の科学まで、私が興味を持ったことをできるだけ解りやすく紹介しています!

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