A1050Aとは?【強度・比重・ヤング率・成分】機械的性質と耐食性

ここでは、A1050Aを使って機械部品の設計するときに必要な情報として、化学成分や機械的性質、熱処理と物理的性質などJIS規格の内容を整理しました。

また、比重やヤング率などの物理的性質や、A1050Aを使う上で、使い方や加工性や溶接性などについての注意事項などについてもまとめました。

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A1050Aとは

A1050A 非熱処理型合金 純アルミニウム

A1050Aは、純度99.5%のアルミニウムです。

純アルミニウムのため強度は低くなりますが、A1050の強度を若干高めています。

成形性や耐食性に優れており、大きな塑性加工を行う部品に適しています。

A1050Aの強度は?機械的性質まとめ

A1050Aの機械的性質を下記に示します。

【A1050Aの機械的性質(目安値)】

材質 引張特性 ブリネル硬さ(HB)
引張強さ(N/mm2 耐力(N/mm2 伸び(%)
A1050A-O  65 20 35
A1050A-H18  140 120 4
A1050A-H24  100  - 6

ここにあるA1050Aの機械的性質はあくまで目安値で、上記のJISでは材料寸法によってA1050Aの機械的性質が詳細に規定されていますので必要に応じてJISにてご確認ください。

A1050Aの物理的性質

A1050Aの物理的性質は下表のとおりです。
【A1050Aの物理的性質)】

物理的性質 条件 物性値
密度[g/cm3] (アルミニウムの標準値) 2.7
比重 (アルミニウムの標準値) 2.7
溶融温度範囲[℃]
導電率[IACS%]
熱伝導度[kW/(m・℃)]
縦弾性係数(ヤング率)[GPa] (アルミニウムの標準値) 70
横弾性係数[GPa] (アルミニウムの標準値) 26
ポアソン比 (アルミニウムの標準値) 0.33
線膨張係数[10-6/℃] -196~-60℃
-60~+20℃
20~100℃
100~200℃
200~300℃

A1050Aの成分

A1050Aの成分は下記のとおりです。

【A1050Aの化学成分(%)]

Si Fe Cu Mn Mg
0.25以下 0.40以下 0.05以下 0.05以下 0.05以下
Cr Zn V,Bi,Pb,Zr,
Niなど
Ti その他 Al
個々 合計
0.07以下 0.05以下 0.03以下 99.50以上

A1050Aの関連規格

A1050Aは下記のJIS規格で規定されています。

規格番号 規格名称 A1050Aの規定有無
JIS H4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JIS H4040 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線
JIS H4080 アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管
JIS H4100 アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材
JIS H4140 アルミニウム及びアルミニウム合金鍛造品

A1050Aの使い方ワンポイント

A1050Aの特徴は下記のとおりです。

A1050Aの耐食性

A1050AはA1050よりも若干亜鉛の量が多くなっていますが耐食性は良好です。

アルミニウムでは、表面に0.2μm程度の酸化皮膜で覆われるので、耐食性は非常に優れています。

アルミニウムの耐食性は、数十年放置してもほとんど変化が無いほどですが、これはあくまで大気中の話で、酸、アルカリ、異種金属との接触などによって急激に腐食されることも有りますので注意が必要です。

A1050Aの強度

非熱処理合金は成分よりも、加工度で強度が決まります。

成形加工の度合いに応じて、O(なまし材)、H14(1/2硬質)、H18(硬質)などから選びます。

この記事を書いた人
DD
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機械設計の仕事をしているエンジニアのDDと申します。
技術士(機械)の資格をもっています。
このブログでは、機械技術から日常の中の科学まで、私が興味を持ったことをできるだけ解りやすく紹介しています!

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