A3203とは【強度・比重・ヤング率・硬度】機械的性質と使い方

ここでは、アルミニウム合金A3203を使って機械部品の設計するときに必要になる、化学成分や機械的性質などJIS規格の内容を整理しました。

また、比重やヤング率などの物理的性質や、A3203の使い方などについてもまとめました。

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A3203とは

A3203非熱処理型合金Al-Mn系合金

A3203は、A1100などの純アルミよりも強度が高く、成形性が良いため、プレス加工などにも向いています。

溶接も可能で、耐食性も良いため、容器や建築、船舶などに向いています。

A3203の強度は?機械的性質まとめ

A3203の機械的性質を下記に示します。

【A3203の機械的性質(代表値)】

材質引張試験(板厚0.2超え0.5以下)
引張強さ(N/mm2耐力(N/mm2伸び(%)
3203-O953523
3203-H241358
3203-H261654

上記の値は代表値です。

JIS H4000(アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条)で規定されている強度は、A3003と同じになっています。

材料のサイズ、質別により大きく変化するため、必要に応じてJISでご確認ください。

A3203の物理的性質

A3203の物理的性質は下表のとおりです。これは代表値ですのでご注意ください。

【A3203の物理的性質)】

物理的性質条件物性値
密度[g/cm3](アルミニウムの標準値)2.7
比重(アルミニウムの標準値)2.7
縦弾性係数(ヤング率)[GPa](アルミニウムの標準値)70
横弾性係数[GPa](アルミニウムの標準値)26
ポアソン比(アルミニウムの標準値)0.33

A3203の成分

A3203の成分は下記のとおりです。

【A3203の化学成分(%)]

SiFeCuMnMg
0.6以下0.7以下0.05以下1.0~1.5
CrZnV,Bi,Pb,Zr, NiなどTiその他Al
個々合計
0.10以下0.05以下0.15以下残部

A3203の関連規格

A3203は下記のJIS規格で規定されています。

規格番号規格名称A3203の規定有無
JIS H4000アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JIS H4040アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線
JIS H4080アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管
JIS H4100アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材
JIS H4140アルミニウム及びアルミニウム合金鍛造品

A3203の使い方ワンポイント

A3203の特徴は下記のとおりです。

A3203の使い方

A3203は純アルミにMnを追加した材質で、耐食性に優れています。

機械的性質は質別(加工硬化)によって、引張強さ95~205MPa程度まで変わりますので、変形させる用途には、O材など低強度のものを使います。

この記事を書いた人
DD

機械設計の仕事をしているエンジニアのDDと申します。
技術士(機械)の資格をもっています。
このブログでは、機械技術から日常の中の科学まで、私が興味を持ったことをできるだけ解りやすく紹介しています!

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