A2024とは?【強度・比重・ヤング率・硬度】機械的性質と耐食性

ここでは、A2024を使って機械部品の設計するときに必要な情報として、化学成分や機械的性質、熱処理と物理的性質などJIS規格の内容を整理しました。

また、比重やヤング率などの物理的性質や、A2024を使う上で、使い方や加工性や溶接性などについての注意事項などについてもまとめました。

スポンサーリンク

A2024とは

A2024熱処理型合金Al-Cu-Mg系合金

A2024は、ジェラルミンA2017より更に強度が高く、超ジェラルミンとも呼ばれる材質です。

切削加工性に優れ、航空機材料などに使用されています。表面にA1230を張り合わせて耐食性を改善させたクラッド材も用いられます。

A2024の強度は?機械的性質まとめ

A2024の機械的性質を下記に示します。

【A2024の機械的性質(目安値)】

材質引張性質ブリネル硬さ
(HBS 10/500)
せん断強さ
(N/mm2
疲れ強さ
(N/mm2
引張強さ
(N/mm2
耐力
(N/mm2
伸び(%)
1.6mm厚
(50mm)
12.5mm径
(5D)
2024-O1857520204712590
2024-T348534518120285140
2024-T4,T3514703252017120285140
2024-T36149539513130290125

ここにあるA2024の機械的性質はあくまで目安値となります。実際にはサイズや条件により大幅に変化しますのでご注意ください。

規格値については、下記のJISにて、質別や材料寸法によってA2024の機械的性質が詳細に規定されていますので必要に応じてJISにてご確認ください。

A2024の物理的性質

A2024の物理的性質は下表のとおりです。
【A2024の物理的性質)】

物理的性質条件物性値
密度[g/cm3]温度:20℃2.77
比重温度:20℃2.77
溶融温度範囲[℃]502~638
導電率[IACS%]質別:O
質別:T3,T4
質別:T6,T81
50
30
38
熱伝導度[kW/(m・℃)] 25℃質別:O
質別:T3,T4
質別:T6
0.19
0.12
0.15
縦弾性係数(ヤング率)[GPa](アルミニウムの標準値)70
横弾性係数[GPa](アルミニウムの標準値)26
ポアソン比(アルミニウムの標準値)0.33
線膨張係数[10-6/℃]-196~-60℃15.6
-60~+20℃21.4
20~100℃23.2
100~200℃23.9
200~300℃24.7

A2024の成分

A2024の成分は下記のとおりです。
【A2024の化学成分(%)]

SiFeCuMnMg
0.50以下0.50以下3.8~4.90.30~0.91.2~1.8
CrZnV,Bi,Pb,Zr,
Niなど
Tiその他Al
個々合計
0.10以下0.25以下0.15以下0.05以下0.15以下残部

A2024の関連規格

A2024は下記のJIS規格で規定されています。

規格番号規格名称A2024の規定有無
JIS H4000アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JIS H4040アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線
JIS H4080アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管
JIS H4100アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材
JIS H4140アルミニウム及びアルミニウム合金鍛造品

A2024の使い方ワンポイント

A2024の特徴は下記のとおりです。

合金質別耐食性耐応力腐食割れ性成形性切削性ろう付け性溶接性鍛造性
ガスアルゴン抵抗
2024T 4DCCBDDBB

優:A→B→C→D:劣

A2024の使い方

A2024は銅が添加された合金なので、強度は高いですが、耐食性が劣ります。

加工については、切削性は良好ですが、溶接は困難です。

0材であれば成形(プレスなど)も可能ですが、加工後に溶体化処理や時効処理が必要となります。

A2017やA7075との使い分け

超ジェラルミンA2024と同様に、強度の高い一般的なアルミ合金としては、

A2024より強度が低い、ジェラルミンA2017と、

A2024よりも強度が高い、超々ジェラルミンA7075が有ります。

A2017やA7075耐食性、応力腐食割れ性に大きな違いはないので、一般的には、必要な強度での使い分けとなります。

市販材の価格としては、強度が高いほうが価格も高くなっているようです。

この記事を書いた人
DD

機械設計の仕事をしているエンジニアのDDと申します。
技術士(機械)の資格をもっています。
このブログでは、機械技術から日常の中の科学まで、私が興味を持ったことをできるだけ解りやすく紹介しています!

DDをフォローする
材料金属材料
スポンサーリンク
機械技術ノート