A6005C(6N01)とは?【強度・比重・ヤング率・硬度】機械的性質と使い方

ここでは、アルミニウム合金A6005C(6N01)を使って機械部品の設計するときに必要な情報として、化学成分や機械的性質などJIS規格の内容を整理しました。

また、比重やヤング率などの物理的性質や、A6005C(6N01)の使い方や耐食性、加工性や溶接性などについてもまとめました。

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A6005C(6N01)とは

A6005C(6N01)熱処理型合金Al-Mg-Si系合金

A6005C(旧記号:6N01)は、棒材で一般的なA6061と管や形材に多用されるA6063の中間程度の強度をもった合金です。

耐食性に優れ溶接も可能で、構造用材料として使用されます。

A6005C(6N01)の強度は?機械的性質まとめ

A6005C(6N01)の機械的性質を下記に示します。

【A6005C(6N01)の機械的性質(目安値)】

材質引張性質ブリネル硬さ
(HBS 10/500)
せん断強さ
(N/mm2
疲れ強さ
(N/mm2
引張強さ
(N/mm2
耐力
(N/mm2
伸び(%)
1.6mm厚
(50mm)
12.5mm径
(5D)
6N01-O100552529
6N01-T5270225128895
6N01-T62852551295100

ここにあるA6005C(6N01)の機械的性質はあくまで目安値となります。

実際にはサイズや条件により大幅に変化しますのでご注意ください。

規格値については、下記のJISにて、質別や材料寸法によってA6005C(6N01)の機械的性質が詳細に規定されていますので必要に応じてJISにてご確認ください。

A6005C(6N01)の物理的性質

A6005C(6N01)の物理的性質は下表のとおりです。これは代表値ですのでご注意ください。

【A6005C(6N01)の物理的性質)】

物理的性質条件物性値
密度[g/cm3]温度:20℃2.7
比重温度:20℃2.7
溶融温度範囲[℃]615~652
導電率[IACS%]質別:T647
熱伝導度[kW/(m・℃)]質別:T6 25℃0.19
縦弾性係数(ヤング率)[GPa](アルミニウムの標準値)70
横弾性係数[GPa](アルミニウムの標準値)26
ポアソン比(アルミニウムの標準値)0.33
線膨張係数[10-6/℃]-196~-60℃16
-60~+20℃21.2
20~100℃23.5
100~200℃24.3
200~300℃25.3

A6005C(6N01)の成分

A6005C(6N01)の成分は下記のとおりです。

【A6005C(6N01)の化学成分(%)]

SiFeCuMnMg
0.40~0.90.35以下0.35以下0.50以下0.40~0.8
CrZnV,Bi,Pb,Zr, NiなどTiその他Al
個々合計
0.30以下0.25以下Mn+Cr0.50以下0.10以下0.05以下0.15以下残部

A6005C(6N01)の関連規格

A6005C(6N01)は下記のJIS規格で規定されています。

規格番号規格名称A6005C(6N01)の規定有無
JIS H4000アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JIS H4040アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線
JIS H4080アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管
JIS H4100アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材
JIS H4140アルミニウム及びアルミニウム合金鍛造品

A6005C(6N01)の使い方ワンポイント

A6005C(6N01)の特徴は下記のとおりです。

合金質別耐食性耐応力腐食割れ性成形性切削性ろう付け性溶接性鍛造性
ガスアルゴン抵抗
A6005C(6N01)T 5AACCAAAA
A6005C(6N01)T 6AACCAAAA

優:A→B→C→D:劣(切削性のみ:優:A→B→C→D→E:劣)

A6005C(6N01)の使い方

A6005Cは、新幹線や地下鉄などの車両にも使われています。

押出加工性も良いので、一体化した大型部材に使うことで、溶接箇所を減らしています。

耐食性も良いので、溶接する構造なら適用できる材料です。

この記事を書いた人
DD

機械設計の仕事をしているエンジニアのDDと申します。
技術士(機械)の資格をもっています。
このブログでは、機械技術から日常の中の科学まで、私が興味を持ったことをできるだけ解りやすく紹介しています!

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