A7020とは?【強度・比重・ヤング率】機械的性質と使い方

ここでは、アルミニウム合金A7020を使って機械部品の設計するときに必要な情報として、化学成分や機械的性質などJIS規格の内容を整理しました。

また、比重やヤング率などの物理的性質や、A7020の使い方や溶接性などについてもまとめました。

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A7020とは

A7020熱処理型合金Al-Zn-Mg系合金

A7020はA7075より強度は低いが、押し出し性、加工性に優れた材質です。

自動車のフレームや一般機械用部品などに適します。

A7020の強度は?機械的性質まとめ

A7020の機械的性質を下記に示します。

押出棒の機械的性質

【A7020の機械的性質(規格値)】

材質径、厚さ又は対辺距離(mm)引張試験
引張強さ(N/mm2耐力(N/mm2伸び(%)
A50mmA
7020-T650以下350以上290以上8以上10以上
50超 200以下340以上275以上10以上

上記の値は、JIS H4040(アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線)で規定されている機械的性質です。

材料のサイズ、質別により大きく変化するため、上記の範囲外の場合は個別の規定が必要です。

A7020の物理的性質

A7020の物理的性質は下表のとおりです。これは代表値ですのでご注意ください。

【A7020の物理的性質)】

物理的性質条件物性値
密度[g/cm3](アルミニウムの標準値)2.7
比重(アルミニウムの標準値)2.7
溶融温度範囲[℃]
導電率[IACS%]
熱伝導度[kW/(m・℃)]
縦弾性係数(ヤング率)[GPa](アルミニウムの標準値)70
横弾性係数[GPa](アルミニウムの標準値)26
ポアソン比(アルミニウムの標準値)0.33
線膨張係数[10-6/℃]-196~-60℃
-60~+20℃
20~100℃
100~200℃
200~300℃

A7020の成分

A7020の成分は下記のとおりです。

【A7020の化学成分(%)]

SiFeCuMnMg
0.35以下0.40以下0.20以下0.05~0.501.0~1.4
CrZnV,Bi,Pb,Zr, NiなどTiその他Al
個々合計
0.10~0.354.0~5.0Zr0.08~0.20、Zr+Ti0.08~0.250.05以下0.15以下残部

A7020の関連規格

A7020は下記のJIS規格で規定されています。

規格番号規格名称A7020の規定有無
JIS H4000アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JIS H4040アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線
JIS H4080アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管
JIS H4100アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材
JIS H4140アルミニウム及びアルミニウム合金鍛造品

A7020の使い方ワンポイント

A7020の特徴は下記のとおりです。

A7020の使い方

A7020は、7000番台でもCuを含まない合金なので、溶接に向く材質です。

A7204(7N01)と同様に、溶接熱影響部の強度が回復する特性があります。

溶接構造で高強度が必要な場合は適用を検討しても良いと思います。

この記事を書いた人
DD

機械設計の仕事をしているエンジニアのDDと申します。
技術士(機械)の資格をもっています。
このブログでは、機械技術から日常の中の科学まで、私が興味を持ったことをできるだけ解りやすく紹介しています!

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