A1230A(A1N30)とは?【強度・比重・ヤング率・硬度】機械的性質と使い方

ここでは、A1230A(A1N30)を使って機械部品の設計するときに必要な情報として、化学成分や機械的性質などJIS規格の内容を整理しました。

また、比重やヤング率などの物理的性質や、A1230A(A1N30)の使い方や耐食性、加工性や溶接性などについてもまとめました。

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A1230A(A1N30)とは

A1230A(A1N30) 非熱処理型合金 純アルミニウム

A1230(1N30)は、純度99.30%以上のアルミ合金で、展延性が良いのでアルミ箔の材料などに適しています。

純アルミ系なので耐食性にも優れています。

A1230A(A1N30)の強度は?機械的性質まとめ

A1230A(A1N30)の機械的性質を下記に示します。

【A1230A(A1N30)の機械的性質(目安値)】

材質 引張性質
引張強さ(N/mm2 耐力(N/mm2 伸び(%)
1N30-O 75 25 28
1N30-H18 155 4

ここにあるA1230A(A1N30)の機械的性質はあくまで目安値となります。実際にはサイズや条件により大幅に変化しますのでご注意ください。

規格値については、下記のJISにて、質別や材料寸法によってA1230A(A1N30)の機械的性質が詳細に規定されていますので必要に応じてJISにてご確認ください。

A1230A(A1N30)の物理的性質

A1230A(A1N30)の物理的性質は下表のとおりです。これは代表値ですのでご注意ください。

【A1230A(A1N30)の物理的性質)】

物理的性質 条件 物性値
密度[g/cm3] (アルミニウムの標準値) 2.7
比重 (アルミニウムの標準値) 2.7
溶融温度範囲[℃]
導電率[IACS%] 58
熱伝導度[kW/(m・℃)]
縦弾性係数(ヤング率)[GPa] (アルミニウムの標準値) 70
横弾性係数[GPa] (アルミニウムの標準値) 26
ポアソン比 (アルミニウムの標準値) 0.33
線膨張係数[10-6/℃] -196~-60℃
-60~+20℃
20~100℃
100~200℃
200~300℃

A1230A(A1N30)の成分

A1230A(A1N30)の成分は下記のとおりです。
【A1230A(A1N30)の化学成分(%)]

Si Fe Cu Mn Mg
Si+Fe0.07以下 Si+Fe0.07以下 0.10以下 0.05以下 0.05以下
Cr Zn V,Bi,Pb,Zr,
Niなど
Ti その他 Al
個々 合計
0.05以下 0.03以下 99.30以上

A1230A(A1N30)の関連規格

A1230A(A1N30)は下記のJIS規格で規定されています。

規格番号 規格名称 A1230Aの規定有無
JIS H4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JIS H4040 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線
JIS H4080 アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管
JIS H4100 アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材
JIS H4140 アルミニウム及びアルミニウム合金鍛造品

A1230A(A1N30)の使い方ワンポイント

A1230A(A1N30)の特徴は下記のとおりです。

A1230A(A1N30)の使い方

A1230Aは、アルミ箔の材料に使用されます。伸展性が良いので、厚さ6μm~200μm程度に薄く加工することができます。

アルミ箔や薄板として食品、医療品、電池などに使用されます。

この記事を書いた人
DD
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機械設計の仕事をしているエンジニアのDDと申します。
技術士(機械)の資格をもっています。
このブログでは、機械技術から日常の中の科学まで、私が興味を持ったことをできるだけ解りやすく紹介しています!

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