A1070とは?【強度・比重・ヤング率・硬度】機械的性質と耐食性

A1070とは?【強度・比重・ヤング率・硬度】機械的性質と耐食性

ここでは、A1070を使って機械部品の設計するときに必要な情報として、化学成分や機械的性質、熱処理と物理的性質などJIS規格の内容を整理しました。

また、比重やヤング率などの物理的性質や、A1070を使う上で、使い方や加工性や溶接性などについての注意事項などについてもまとめました。

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A1070とは

A1070非熱処理型合金純アルミニウム

A1070は純度が99.7%以上の純アルミ系の材質です。

強度は低くなりますが、成形性や溶接性、耐食性が優れています。

A1070の強度は?機械的性質まとめ

A1070の機械的性質を下記に示します。

【A1070の機械的性質(目安値)】

材質引張特性ブリネル硬さ(HB)
引張強さ(N/mm2耐力(N/mm2伸び(%)
 1070-O 70304319
 1070-H18 130125635
 1070-H24 100 901226

ここにあるA1070の機械的性質は、代表値であり、実際にはサイズや条件により大幅に変化しますのでご注意ください。

規格値については、下記のJISにて、質別や材料寸法によってA1070の機械的性質が詳細に規定されていますので必要に応じてJISにてご確認ください。

A1070の物理的性質

A1070の物理的性質は下表のとおりです。

【A1070の物理的性質)】

物理的性質条件物性値
密度[g/cm3]質別:O、H18、H242.71
比重質別:O、H18、H242.71
溶融温度範囲[℃]646~
導電率[IACS%]質別:O、H18、H2462
熱伝導度[kW/(m・℃)]質別:O、H18、H240.23
縦弾性係数(ヤング率)[GPa]質別:O、H18、H2469
横弾性係数[GPa]質別:O、H18、H2425
ポアソン比質別:O、H18、H240.3
線膨張係数[10-6/℃]-196~-60℃
-60~+20℃
20~100℃24
100~200℃
200~300℃

A1070の成分

A1070の成分は下記のとおりです。

【A1070の化学成分(%)]

SiFeCuMnMg
0.20以下0.25以下0.04以下0.03以下0.03以下
CrZnV,Bi,Pb,Zr,
Niなど
Tiその他Al
個々合計
0.04以下V0.05以下0.03以下0.03以下99.70以上

A1070の関連規格

A1070は下記のJIS規格で規定されています。

規格番号規格名称A1070の規定有無
JIS H4000アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JIS H4040アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線
JIS H4080アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管
JIS H4100アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材
JIS H4140アルミニウム及びアルミニウム合金鍛造品

A1070の使い方ワンポイント

A1070の特徴は下記のとおりです。

A1070の使い方

純アルミ系で流通量の多い順度99.5%以上のA1050と比較すると、A1070の方が純度99.7%以上と高いため、導電率が高くなることや、磨いた場合に表面の光沢が高くなることが特徴として挙げられます。

大きな違いではありませんが、このような特徴が問題となる場合は、A1070の選定も検討すると良いでしょう。

この記事を書いた人
DD

機械設計の仕事をしているエンジニアのDDと申します。
技術士(機械)の資格をもっています。
このブログでは、機械技術から日常の中の科学まで、私が興味を持ったことをできるだけ解りやすく紹介しています!

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