A2618とは?【強度・比重・ヤング率・硬度】機械的性質と使い方

ここでは、A2618を使って機械部品の設計するときに必要な情報として、化学成分や機械的性質などJIS規格の内容を整理しました。

また、比重やヤング率などの物理的性質や、A2618の使い方や耐食性、加工性や溶接性などについてもまとめました。

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A2618とは

A2618 熱処理型合金 Al-Cu-Mg系合金

A2618は、高温強度に優れる鍛造素材で、航空機用のピストンや金型などに向いています。

A2618の強度は?機械的性質まとめ

A2618の機械的性質を下記に示します。

【A2618の機械的性質(目安値)】

材質 引張性質 ブリネル硬さ
(HBS 10/500)
せん断強さ
(N/mm2
疲れ強さ
(N/mm2
引張強さ
(N/mm2
耐力
(N/mm2
伸び(%)
1.6mm厚
(50mm)
12.5mm径
(5D)
2618-T61 440 370 10 115 260 125

ここにあるA2618の機械的性質はあくまで目安値となります。実際にはサイズや条件により大幅に変化しますのでご注意ください。

規格値については、下記のJISにて、質別や材料寸法によってA2618の機械的性質が詳細に規定されていますので必要に応じてJISにてご確認ください。

A2618の物理的性質

A2618の物理的性質は下表のとおりです。これは代表値ですのでご注意ください。
【A2618の物理的性質)】

物理的性質 条件 物性値
密度[g/cm3] 温度:20℃ 2.76
比重 温度:20℃ 2.76
溶融温度範囲[℃] 質別:T6 549~638
導電率[IACS%] 質別:T6 40
熱伝導度[kW/(m・℃)] 質別:T6 0.15
縦弾性係数(ヤング率)[GPa] 質別:T6 74.4
横弾性係数[GPa] 質別:T6 28
ポアソン比 質別:T6 0.3
線膨張係数[10-6/℃] -196~-60℃
-60~+20℃
20~100℃ 22.3
100~200℃
200~300℃

A2618の成分

A2618の成分は下記のとおりです。

【A2618の化学成分(%)]

Si Fe Cu Mn Mg
0.10~0.25 0.9~1.3 1.9~2.7 1.3~1.8
Cr Zn Ni Ti その他 Al
個々 合計
0.10以下 0.9~1.2 0.04~0.10 0.05以下 0.15以下 残部

A2618の関連規格

A2618は下記のJIS規格で規定されています。

規格番号 規格名称 A1050Aの規定有無
JIS H4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JIS H4040 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線
JIS H4080 アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管
JIS H4100 アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材
JIS H4140 アルミニウム及びアルミニウム合金鍛造品

A2618の使い方ワンポイント

A2618の特徴は下記のとおりです。

A2618の使い方

A2618は、航空機用エンジンの鍛造部品に使われます。

高温強度に優れた鍛造素材ですが、応力腐食割れなどの耐食性には注意が必要です。

この記事を書いた人
DD
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機械設計の仕事をしているエンジニアのDDと申します。
技術士(機械)の資格をもっています。
このブログでは、機械技術から日常の中の科学まで、私が興味を持ったことをできるだけ解りやすく紹介しています!

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