A5005とは?【強度・比重・ヤング率・硬度】機械的性質と使い方

ここでは、アルミニウム合金A5005を使って機械部品の設計するときに必要な情報として、化学成分や機械的性質などJIS規格の内容を整理しました。

また、比重やヤング率などの物理的性質や、A5005の使い方、加工性などについてもまとめました。

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A5005とは

A5005 非熱処理型合金 Al-Mg系合金

A5005は、A3003と同程度の強度が有り耐食性にも優れた材質です。

溶接性や加工性も良く、建築用の内外装材や車両の内装材などに使用されています。

A5005の強度は?機械的性質まとめ

A5005の機械的性質を下記に示します。

A5005は、同じ5000番台の汎用材であるA5052と比較して強度はかなり低くなります。

【A5005の機械的性質(目安値)】

材質 引張性質 ブリネル硬さ
(HBS 10/500)
せん断強さ
(N/mm2
疲れ強さ
(N/mm2
引張強さ
(N/mm2
耐力
(N/mm2
伸び(%)
1.6mm厚
(50mm)
12.5mm径
(5D)
5005-O 125 40 25 28 75
5005-H12 140 130 10 95
5005-H14 160 150 6 95
5005-H16 180 170 5 105
5005-H18 200 195 4 110
5005-H32 140 115 11 36 95
5005-H34 160 140 8 41 95
5005-H36 180 165 6 46 105
5005-H38 200 185 5 51 110

ここにあるA5005の機械的性質はあくまで目安値となります。

実際にはサイズや条件により大幅に変化しますのでご注意ください。

規格値については、下記のJISにて、質別や材料寸法も含め詳細に規定されていますので必要に応じてJISにてご確認ください。

A5005の物理的性質

A5005の物理的性質は下表のとおりです。これは代表値ですのでご注意ください。

【A5005の物理的性質)】

物理的性質 条件 物性値
密度[g/cm3] 温度:20℃ 2.7
比重 温度:20℃ 2.7
溶融温度範囲[℃] 632~652
導電率[IACS%] 全質別平均 52
熱伝導度[kW/(m・℃)] 全質別平均 25℃ 0.2
縦弾性係数(ヤング率)[GPa] (アルミニウムの標準値) 70
横弾性係数[GPa] (アルミニウムの標準値) 26
ポアソン比 (アルミニウムの標準値) 0.33
線膨張係数[10-6/℃] -196~-60℃ 16.1
-60~+20℃ 21.9
20~100℃ 23.8
100~200℃ 24.8
200~300℃ 25.7

A5005の成分

A5005の成分は下記のとおりです。

【A5005の化学成分(%)]

Si Fe Cu Mn Mg
0.30以下 0.7以下 0.20以下 0.20以下 0.50~1.1
Cr Zn V,Bi,Pb,Zr, Niなど Ti その他 Al
個々 合計
0.10以下 0.25以下 0.05以下 0.15以下 残部

A5005の関連規格

A5005は下記のJIS規格で規定されています。

規格番号 規格名称 A5005の規定有無
JIS H4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JIS H4040 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線
JIS H4080 アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管
JIS H4100 アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材
JIS H4140 アルミニウム及びアルミニウム合金鍛造品

A5005の使い方ワンポイント

A5005の特徴は下記のとおりです。

合金 質別 耐食性 耐応力腐食割れ性 成形性 切削性 ろう付け性 溶接性 鍛造性
ガス アルゴン 抵抗
5005 O A A A E B A A B
5005 H34 A A B D B A A A
5005 H38 A A C D B A A A

優:A→B→C→D:劣(切削性のみ:優:A→B→C→D→E:劣)

A5005の使い方

A5005は、Mg量が少ないため強度が低いため、構造材には向きません。

加工性が良く、また、陽極酸化皮膜(アルマイト処理)後の表面の仕上がりが良いため、車両などの内外装材に適しています。

この記事を書いた人
DD
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機械設計の仕事をしているエンジニアのDDと申します。
技術士(機械)の資格をもっています。
このブログでは、機械技術から日常の中の科学まで、私が興味を持ったことをできるだけ解りやすく紹介しています!

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