A7178とは?【強度・比重・ヤング率】機械的性質と使い方

ここでは、アルミニウム合金A7178を使って機械部品の設計するときに必要な情報として、化学成分や機械的性質などJIS規格の内容を整理しました。

また、比重やヤング率などの物理的性質や、A7178の使い方などについてもまとめました。

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A7178とは

A7178 熱処理型合金 Al-Zn-Mg-Cu系合金

A7178は、A7075より強度が高い合金で、バットやスキーのストックなどに使用されます。

A7178の強度は?機械的性質まとめ

A7178の機械的性質を下記に示します。

【A7178の機械的性質(目安値)】

材質 引張性質 ブリネル硬さ
(HBS 10/500)
せん断強さ
(N/mm2
疲れ強さ
(N/mm2
引張強さ
(N/mm2
耐力
(N/mm2
伸び(%)
1.6mm厚
(50mm)
12.5mm径
(5D)
7178-O 230 105 15 14
7178-T6,T651 605 540 10 9
7178-T76,T7651 570 505 9

ここにあるA7178の機械的性質はあくまで目安値となります。

実際にはサイズや条件により大幅に変化しますのでご注意ください。

規格値については、下記のJISにて、質別や材料寸法によってA7178の機械的性質が詳細に規定されていますので必要に応じてJISにてご確認ください。

A7178の物理的性質

A7178の物理的性質は下表のとおりです。これは代表値ですのでご注意ください。

【A7178の物理的性質)】

物理的性質 条件 物性値
密度[g/cm3] 温度:20℃ 2.83
比重 温度:20℃ 2.83
溶融温度範囲[℃] 477~629
導電率[IACS%] 質別:T6 32
熱伝導度[kW/(m・℃)] 質別:T6 25℃ 0.13
縦弾性係数(ヤング率)[GPa] (アルミニウムの標準値) 70
横弾性係数[GPa] (アルミニウムの標準値) 26
ポアソン比 (アルミニウムの標準値) 0.33
線膨張係数[10-6/℃] -196~-60℃
-60~+20℃
20~100℃
100~200℃
200~300℃

A7178の成分

A7178の成分は下記のとおりです。

【A7178の化学成分(%)]

Si Fe Cu Mn Mg
0.40以下 0.50以下 1.6~2.4 0.30以下 2.4~3.1
Cr Zn V,Bi,Pb,Zr, Niなど Ti その他 Al
個々 合計
0.18~0.28 6.3~7.3 0.20以下 0.05以下 0.15以下 残部

A7178の関連規格

A7178は下記のJIS規格で規定されています。

規格番号 規格名称 A7178の規定有無
JIS H4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JIS H4040 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線
JIS H4080 アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管
JIS H4100 アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材
JIS H4140 アルミニウム及びアルミニウム合金鍛造品

A7178の使い方ワンポイント

A7178の特徴は下記のとおりです。

A7178の使い方

A7178はA7075よりも強度が更に高くなりますが、靭性は若干劣ります。

耐久性や耐食性よりも、軽量化などを重視するスポーツ用品などに向いています。

耐食性が問題とならない用途であれば採用を検討しても良いでしょう。

この記事を書いた人
DD
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機械設計の仕事をしているエンジニアのDDと申します。
技術士(機械)の資格をもっています。
このブログでは、機械技術から日常の中の科学まで、私が興味を持ったことをできるだけ解りやすく紹介しています!

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