A6060とは?【強度・比重・ヤング率】機械的性質と使い方

ここでは、アルミニウム合金A6060を使って機械部品の設計するときに必要な情報として、化学成分や機械的性質などJIS規格の内容を整理しました。

また、比重やヤング率などの物理的性質や、A6060の使い方などについてもまとめました。

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A6060とは

A6060 熱処理型合金 Al-Mg-Si系合金

A6060は、A6063より強度は低くなりますが、押し出し性が更に優れている材質です。

耐食性や表面処理性も良いので、建築用材料や、家具、家電製品などに使用されます。

A6060の強度は?機械的性質まとめ

A6060の機械的性質を下記に示します。

【A6060の機械的性質(規格値)】

材質 径、厚さ又は対辺距離(mm) 引張試験
引張強さ(N/mm2 耐力(N/mm2 伸び(%)
A50mm A
6060-T4 150以下 120以上 60以上 14以上 16以上
6060-T5 150以下 160以上 120以上 6以上 8以上
6060-T6 100以下 190以上 150以上 8以上 10以上
6060-T64 50以下 180以上 120以上 10以上 12以上
6060-T66 150以下 215以上 160以上 6以上 8以上

上記の値は、JIS H4040(アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線)で規定されている機械的性質です。

材料のサイズ、質別により大きく変化するため、上記の範囲外の場合は個別の規定が必要です。

A6060の物理的性質は下表のとおりです。これは代表値ですのでご注意ください。

A6060の物理的性質

【A6060の物理的性質】

物理的性質 条件 物性値
密度[g/cm3] (アルミニウムの標準値) 2.7
比重 (アルミニウムの標準値) 2.7
溶融温度範囲[℃]
導電率[IACS%]
熱伝導度[kW/(m・℃)]
縦弾性係数(ヤング率)[GPa] (アルミニウムの標準値) 70
横弾性係数[GPa] (アルミニウムの標準値) 26
ポアソン比 (アルミニウムの標準値) 0.33
線膨張係数[10-6/℃] -196~-60℃
-60~+20℃
20~100℃
100~200℃
200~300℃

A6060の成分

A6060の成分は下記のとおりです。

【A6060の化学成分(%)]

Si Fe Cu Mn Mg
0.30~0.6 0.10~0.30 0.10以下 0.10以下 0.35~0.6
Cr Zn V,Bi,Pb,Zr, Niなど Ti その他 Al
個々 合計
0.05以下 0.15以下 0.10以下 0.05以下 0.15以下 残部

A6060の関連規格

A6060は下記のJIS規格で規定されています。

規格番号 規格名称 A6060の規定有無
JIS H4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JIS H4040 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線
JIS H4080 アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管
JIS H4100 アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材
JIS H4140 アルミニウム及びアルミニウム合金鍛造品

A6060の使い方ワンポイント

A6060の特徴は下記のとおりです。

A6060の使い方

A6060は押出性が良いので、汎用材のA6063よりも複雑形状の型材などの加工に適します。

A6063で問題がある場合は適用を検討すると良いと思います。

この記事を書いた人
DD
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機械設計の仕事をしているエンジニアのDDと申します。
技術士(機械)の資格をもっています。
このブログでは、機械技術から日常の中の科学まで、私が興味を持ったことをできるだけ解りやすく紹介しています!

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