A5454とは?【強度・比重・ヤング率・硬度】機械的性質と使い方

ここでは、アルミニウム合金A5454を使って機械部品の設計するときに必要な情報として、化学成分や機械的性質などJIS規格の内容を整理しました。

また、比重やヤング率などの物理的性質や、A5454の使い方などについてもまとめました。

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A5454とは

A5454 非熱処理型合金 Al-Mg系合金

A5454は、A5052より強度が高く、耐食性、成形性、溶接性に優れた材料です。

自動車のホイールなどに使用されます。

A5454の強度は?機械的性質まとめ

A5454の機械的性質を下記に示します。

【A5454の機械的性質(目安値)】

材質 引張性質 ブリネル硬さ
(HBS 10/500)
せん断強さ
(N/mm2
疲れ強さ
(N/mm2
引張強さ
(N/mm2
耐力
(N/mm2
伸び(%)
1.6mm厚
(50mm)
12.5mm径
(5D)
5454-O 250 115 22 62 160
5454-H32 275 205 10 73 165
5454-H34 305 240 10 81 180
5454-H111 260 180 14 70 160
5454-H112 250 125 18 62 160

ここにあるA5454の機械的性質はあくまで目安値となります。

実際にはサイズや条件により大幅に変化しますのでご注意ください。

規格値については、下記のJISにて、質別や材料寸法によってA5454の機械的性質が詳細に規定されていますので必要に応じてJISにてご確認ください。

A5454の物理的性質

A5454の物理的性質は下表のとおりです。これは代表値ですのでご注意ください。

【A5454の物理的性質)】

物理的性質 条件 物性値
密度[g/cm3] 温度:20℃ 2.68
比重 温度:20℃ 2.68
溶融温度範囲[℃] 602~646
導電率[IACS%] 全質別平均 34
熱伝導度[kW/(m・℃)] 全質別平均 25℃ 0.13
縦弾性係数(ヤング率)[GPa] (アルミニウムの標準値) 70
横弾性係数[GPa] (アルミニウムの標準値) 26
ポアソン比 (アルミニウムの標準値) 0.33
線膨張係数[10-6/℃] -196~-60℃
-60~+20℃
20~100℃
100~200℃
200~300℃

A5454の成分

A5454の成分は下記のとおりです。

【A5454の化学成分(%)]

Si Fe Cu Mn Mg
0.25以下 0.40以下 0.10以下 0.50~1.0 2.4~3.0
Cr Zn V,Bi,Pb,Zr, Niなど Ti その他 Al
個々 合計
0.05~0.20 0.25以下 0.20以下 0.05以下 0.15以下 残部

A5454の関連規格

A5454は下記のJIS規格で規定されています。

規格番号 規格名称 A5454の規定有無
JIS H4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JIS H4040 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線
JIS H4080 アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管
JIS H4100 アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材
JIS H4140 アルミニウム及びアルミニウム合金鍛造品

A5454の使い方ワンポイント

A5454の特徴は下記のとおりです。

合金 質別 耐食性 耐応力腐食割れ性 成形性 切削性 ろう付け性 溶接性 鍛造性
ガス アルゴン 抵抗
5454 O A A A D D C A B

優:A→B→C→D:劣(切削性のみ:優:A→B→C→D→E:劣)

A5454の使い方

A5454は汎用アルミ材A5052より少し強度の高い合金で、耐食性や溶接性も良好なので、幅広い用途に適用可能です。

この記事を書いた人
DD
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機械設計の仕事をしているエンジニアのDDと申します。
技術士(機械)の資格をもっています。
このブログでは、機械技術から日常の中の科学まで、私が興味を持ったことをできるだけ解りやすく紹介しています!

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