A6005Aとは?【強度・比重・ヤング率】機械的性質と使い方

ここでは、アルミニウム合金A6005Aを使って機械部品の設計するときに必要な情報として、化学成分や機械的性質などJIS規格の内容を整理しました。

また、比重やヤング率などの物理的性質や、A6005Aの使い方などについてもまとめました。

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A6005Aとは

A6005A熱処理型合金Al-Mg-Si系合金

A6005Aは、A6061とA6063の中間程度の強度を持った合金です。

押出し加工性に優れているので、棒や管、形材などに成形された材料を使用します。

耐食性がよく溶接も可能です。

A6005Aの強度は?機械的性質まとめ

A6005Aの機械的性質を下記に示します。

押出棒の機械的性質

【A6005Aの機械的性質(規格値)】

材質径、厚さ又は対辺距離(mm)引張試験
引張強さ(N/mm2耐力(N/mm2伸び(%)
A50mmA
6005A-T625以下270以上225以上8以上10以上
25超 50以下270以上225以上8以上
50超 100以下260以上215以上8以上

上記の値は、JIS H4040(アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線)で規定されている機械的性質です。

材料のサイズ、質別により大きく変化するため、上記の範囲外の場合は個別の規定が必要です。

A6005Aの物理的性質は下表のとおりです。これは代表値ですのでご注意ください。

A6005Aの物理的性質

【A6005Aの物理的性質)】

物理的性質条件物性値
密度[g/cm3](アルミニウムの標準値)2.7
比重(アルミニウムの標準値)2.7
溶融温度範囲[℃]
導電率[IACS%]
熱伝導度[kW/(m・℃)]
縦弾性係数(ヤング率)[GPa](アルミニウムの標準値)70
横弾性係数[GPa](アルミニウムの標準値)26
ポアソン比(アルミニウムの標準値)0.33
線膨張係数[10-6/℃]-196~-60℃
-60~+20℃
20~100℃
100~200℃
200~300℃

A6005Aの成分

A6005Aの成分は下記のとおりです。

【A6005Aの化学成分(%)]

SiFeCuMnMg
0.50~0.90.35以下0.30以下0.50以下0.40~0.7
CrZnV,Bi,Pb,Zr, NiなどTiその他Al
個々合計
0.30以下0.20以下Mn+Cr0.12~0.500.10以下0.05以下0.15以下残部

A6005Aの関連規格

A6005Aは下記のJIS規格で規定されています。

規格番号規格名称A6005Aの規定有無
JIS H4000アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JIS H4040アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線
JIS H4080アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管
JIS H4100アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材
JIS H4140アルミニウム及びアルミニウム合金鍛造品

A6005Aの使い方ワンポイント

A6005Aの特徴は下記のとおりです。

A6005Aの使い方

A6005Aは耐食性と強度のバランスが良く、溶接も可能なので、構造部材に向きます。

この記事を書いた人
DD

機械設計の仕事をしているエンジニアのDDと申します。
技術士(機械)の資格をもっています。
このブログでは、機械技術から日常の中の科学まで、私が興味を持ったことをできるだけ解りやすく紹介しています!

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