A4032とは?【強度・比重・ヤング率・硬度】機械的性質と使い方

ここでは、アルミニウム合金A4032を使って機械部品の設計するときに必要な情報として、化学成分や機械的性質などJIS規格の内容を整理しました。

また、比重やヤング率などの物理的性質や、A4032の使い方や耐食性、加工性や溶接性などについてもまとめました。

スポンサーリンク

A4032とは

A4032 非熱処理型合金 Al-Si系合金

A4032は、4000番台の代表的な材質です。

Siは、熱膨張係数を小さくする作用が有り、耐摩耗性にも優れた材質です。

また、微量のCu、Ni、Mgの添加により耐熱性を向上させています。

鍛造に適しており、200℃程度の中温度での強度が高いので、ピストン、シリンダーヘッドなどに使用されます。また、線膨張係数の低さから、ブレーキのマスターシリンダー、バルブ、ブッシング、軸受、油圧機器類にも使用されます。

A4032の強度は?機械的性質まとめ

A4032の機械的性質を下記に示します。

【A4032の機械的性質(目安値)】

材質 引張性質 ブリネル硬さ
(HBS 10/500)
せん断強さ
(N/mm2
疲れ強さ
(N/mm2
引張強さ
(N/mm2
耐力
(N/mm2
伸び(%)
1.6mm厚
(50mm)
12.5mm径
(5D)
4032-T6 380 315 9 120 260 110

ここにあるA4032の機械的性質はあくまで目安値となります。

実際にはサイズや条件により大幅に変化しますのでご注意ください。

規格値については、下記のJISにて、質別や材料寸法によってA4032の機械的性質が詳細に規定されていますので必要に応じてJISにてご確認ください。

A4032の物理的性質

A4032の物理的性質は下表のとおりです。これは代表値ですのでご注意ください。

【A4032の物理的性質)】

物理的性質 条件 物性値
密度[g/cm3] 温度:20℃ 2.68
比重 温度:20℃ 2.68
溶融温度範囲[℃] 532~571
導電率[IACS%] 質別:T6 36
熱伝導度[kW/(m・℃)] 質別:T6 25℃ 0.14
縦弾性係数(ヤング率)[GPa] (アルミニウムの標準値) 70
横弾性係数[GPa] (アルミニウムの標準値) 26
ポアソン比 (アルミニウムの標準値) 0.33
線膨張係数[10-6/℃] -196~-60℃ 13.3
-60~+20℃ 18.4
20~100℃ 20
100~200℃ 20.3
200~300℃ 21.1

A4032の成分

A4032の成分は下記のとおりです。

【A4032の化学成分(%)]

Si Fe Cu Mn Mg
11.0~13.5 1.0以下 0.50~1.3 0.8~1.3
Cr Zn V,Bi,Pb,Zr, Niなど Ti その他 Al
個々 合計
0.10以下 Znの前にNi 0.5~1.3 を追加する。Zn0.25以下 Zr、Zr+Ti、Vにかえる - 0.05以下 0.15以下 残部

A4032の関連規格

A4032は下記のJIS規格で規定されています。

規格番号 規格名称 A4032の規定有無
JIS H4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JIS H4040 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線
JIS H4080 アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管
JIS H4100 アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材
JIS H4140 アルミニウム及びアルミニウム合金鍛造品

A4032の使い方ワンポイント

A4032の特徴は下記のとおりです。

合金 質別 耐食性 耐応力腐食割れ性 成形性 切削性 ろう付け性 溶接性 鍛造性
ガス アルゴン 抵抗
4032 T 6 C B D D B C

優:A→B→C→D:劣(切削性のみ:優:A→B→C→D→E:劣)

A4032の使い方

A4032は冷間加工性が悪いため、熱間鍛造や鋳物、棒材の切削加工などで加工します。

最近、組織の均一化などによって冷間加工が可能な線材も研究されており、冷間鍛造も可能になってきています。

この記事を書いた人
DD
DD

機械設計の仕事をしているエンジニアのDDと申します。
技術士(機械)の資格をもっています。
このブログでは、機械技術から日常の中の科学まで、私が興味を持ったことをできるだけ解りやすく紹介しています!

DDをフォローする
アルミニウム
スポンサーリンク
シェアする