【熱膨張係数一覧】線膨張係数との違いは?

元素や主な金属、樹脂について、熱膨張係数(線膨張係数)の一覧をまとめました。

熱膨張の原理と身近な例、設計上の注意事項については、こちら

熱膨張の計算式や計算フォームについてはこちらをご覧ください。

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熱膨張係数一覧

元素の線膨張係数

元素の線膨張係数の一覧は下記のとおりです。

元素名線膨張係数
10-6/K
温度
K
亜鉛39.7293~523
アルミニウム23.6293~373
アンチモン8.5~10.8293~373
硫黄64293~313
イッテルビウム25293~313
イリジウム6.8293~313
インジウム33293~313
ウラン6.8~14.1293~313
エルビウム9293~313
オスミウム4.6323
カドミウム29.8293~313
ガドリニウム4313
カリウム83293~313
ガリウム18273~303
カルシウム22.3273~673
14.2293~313
19.68273~373
クロム6.2293~313
ケイ素2.8~7.3293~313
ゲルマニウム5.75293~313
コバルト13.8293~313
ジスプロシウム9293~313
ジルコニウム5.85293~313
スズ23273~373
セシウム97273~299
セリウム8293~313
セレン37293~313
ビスマス13.3293~313
タリウム28293~313
タングステン4.6293~313
炭素(石墨)0.6~4.3293~373
タンタル6.5293~313
チタン8.41293~313
11.76298
テルビウム7293~313
テルル16.75293~313
16.5293~313
トリウム12.5298~373
ナトリウム71293~313
29.3290~373
ニオブ7.31293~313
ニッケル13.3273~373
ネオジウム6293~313
白金8.9293~313
バナジウム8.3296~373
ハフニウム5.9293~473
パラジウム11.76293~313
ヒ素47293~313
プラセオジウム4293~313
プルトニウム55294~377
ベリリウム11.6293~373
ホウ素8.3293~373
マグネシウム(a軸)27.1293~313
マンガン22293~313
モリブデン4.9293~373
ユーロピウム26293~313
ヨウ素93293~313
ランタン5293~313
リチウム56293~313
リン125293~313
ツテニウム9.1293~313
ルビジウム90293~313
レニウム6.7293~773
ロジウム8.3293~313

 

実用金属材料の線膨張係数

実用的な金属材料の線膨張係数係数の一覧を下記に示します。

元素名線膨張係数
10-6/K
温度
K
アームコ鉄11.7
低炭素鋼(C0.08~0.12)11.3~11.6
中炭素鋼(C0.4~0.5)10.7
高炭素鋼(C0.8~1.6)9.6~10.9
高張力鋼(HT80)12.7
機械構造用マンガン鋼14.6
クロム鋼(SCr430)12.6300~470
クロムモリブデン鋼(SCM440)12.3
ニッケル・クロム鋼13.3300~670
肌焼鋼11.2
低温用鋼(3Ni)10.9
マルエージング鋼(250)10.1300~560
マルテンサイト系ステンレス鋼(SUS410)9.9
フェライト系ステンレス鋼(SUS405)10.8
オーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)17.3
析出硬化型ステンレス鋼(SUS631)11.0
高マンガン鋼(ハドフィールド鋼)13.9
インコネル60013.3
インコネルX75012.6
インコロイ80014.2
ハステロイX13.9
ステライト6B13.9
ニモニック80A11.1
工具鋼(SKD6)10.8
ねずみ鋳鉄9.2~11.8
球状黒鉛鋳鉄10
黒心可鍛鋳鉄11.6
ケイ素鋼12~15
パーマロイ12
超硬合金(WC94、Co6)5.0
超硬合金(WC88、TiC5、Co7)5.0
超硬合金(WC78、TiC16、Co6)6.0
超硬合金(WC34、TiC60、Co6)7.5
無酸素銅(C1020)17.6
タフピッチ銅(C1100)17.6
9/1丹銅(C2200)18.7
7/3黄銅(C2600)19.9
65/35黄銅(C2680)20.3
6/4黄銅(C2801)20.8
快削黄銅(C3710)20.6
ネパール黄銅(C4621)21.2
リン青銅(C5212)18.2
白銅(C7060)17.1
洋白(C7521)17.1
ベリリウム銅(C1720)17.1
黄銅鋳物(CAC202(旧YbsC2))20.2
青銅鋳物(CAC402(旧BC2))19.0
リン青銅鋳物(CAC502(旧PBC2))18.0
ニッケル(NNC)13
モネルメタル40014.0
ニクロム17.3
マンガニン17
工業用純アルミニウム(A1100-H18)23.6
ジュラルミン(A2017-T4)23.4
超ジュラルミン(A2024-T4)23.2
超々ジュラルミン(A7075-T6)23.6
耐食アルミニウム(A5083-H32)23.4
耐食アルミニウム(A6063-T6)23.6
ラウタル(AC2A-T6)24.0
シルミン(AC3A-F)20.4
アルミニウム鋳物用合金(AC4CH-T6)21.5
アルミニウムダイカスト用合金(ADC12)21.0
エレクトロン26
工業用純チタン(C.P.Ti)8.4
6AL-4V合金8.4
亜鉛ダイカスト用合金(ZDC-2)27.4
型鋳物用亜鉛合金(ザマック2)27.7
ILZRO-1227.9
バビットメタル24
スズ基ホワイトメタル22.8

 

樹脂材料の線膨張係数

樹脂材料の線膨張係数の一覧を下記に示します。

金属と樹脂を比較するとだいたい1桁、樹脂の方が膨張しやすいことになります。

元素名線膨張係数
10-5/K
ポリエチレン(高密度)5.9~11
ポリプロピレン5.8~10.2
塩化ビニル樹脂(硬質)5.0~10.0
三フッ化エチレン4.5~7.0
四フッ化エチレン10
メタクリル樹脂5.0~9.0
ポリスチレン6.0~8.0
ABS樹脂(HI)9.5~13.0
ポリカーボネート6.6
ポリアセタール8.1~8.5
ポリアミド8.3
変性PPO5.2
ポリイミド(ガラス入り)1.5
フェノール樹脂成形品2.5~6.0
エポキシ樹脂注型品4.5~6.5
不飽和ポリエステル樹脂注型品5.5~10.0
ポリウレタン樹脂注型品10.0~20.0

 

セラミックスの線膨張係数

元素名線膨張係数
10-6/K
アルミナ(Al2O36.6~7.3
ジルコニア(ZrO210.0~10.8
炭化ケイ素(SiC)3.6~3.7
窒化ケイ素(Si3N42.4~2.9

 

熱膨張係数とは?線膨張係数の違い

熱膨張係数(熱膨張率)は、温度変化による長さや体積の変化の関係を示す係数です。

長さの変化は、線膨張係数(線膨張率)、体積の変化は、体積膨張係数(体積膨張率)とも呼ばれます。

熱膨張係数と線膨張係数の違い

固体の場合は形状があるので、寸法の変化が重要視される場合が多く、特定の2点間の距離の変化に着目した線膨張係数が重要となります。

そのため、熱膨張係数と言った場合でも、線膨張係数のことを示すことが多いです。

ちなみに、体積膨張係数は、線膨張係数の約3倍となります。

 

熱膨張係数の単位

熱膨張係数の単位は、1/K となります。

これだと値が小さすぎるので、一般的に金属の場合は、

10-6/K

樹脂の場合は、

10-5/K

とすることが多いです。

1K=- 273.15℃

であり、1K(ケルビン)と、1℃(摂氏)は、1目盛りの大きさが同じ(差をとると同じ)なので、熱膨張係数の値は、℃でも同じです。

この記事を書いた人
DD

機械設計の仕事をしているエンジニアのDDと申します。
技術士(機械)の資格をもっています。
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