熱伝導率が高い・低い素材ランキング

熱伝導率が高い、金属、セラミクスなどの素材についてランキングにしました。

熱伝導率が低い素材についてもまとめました。

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熱伝導率が高い素材ランキング

熱伝導率が高い素材の1位はカーボンナノチューブです。しかしこれは研究レベルのもので、実用的な素材とは言えません。

カーボンナノチューブ

カーボンナノチューブを除けば1位は、ダイヤモンドです。

ダイヤモンド

これも価格的に実用的とは言えませんが、CPUとヒートシンクの間に塗るグリスなどで実用化されています。

順位 区分 物質
熱伝導率[W/(m・K)]
1位 元素 カーボンナノチューブ 300~10000
2位 元素 ダイヤモンド 900~2320
3位 純金属 銀 Ag 427
4位 純金属 銅 Cu 398
5位 セラミクス 窒化アルミニウム(AlN) 319
6位 純金属 金 Au 315
7位 セラミクス ベリリア(BeO) 272
8位 セラミクス 炭化ケイ素(SiC) 270
9位 純金属 アルミニウム Al 237
10位 純金属 タングステン W 178
11位 純金属 マグネシウム Mg 156
12位 純金属 シリコン Si 148
13位 純金属 モリブデン Mo 138
14位 純金属 ナトリウム Na 132
15位 純金属 亜鉛 Zn 121
16位 純金属 カリウム K 102
17位 純金属 コバルト Co 99.2
18位 純金属 カドミウム Cd 96.8
19位 純金属 ニッケル Ni 90.5
20位 純金属 クロム Cr 90.3
21位 純金属 ロジウム Rh 88
22位 純金属 鉄 Fe 80.3
23位 純金属 リチウム Li 76.8
24位 純金属 白金 Pt 71.4
25位 純金属 パラジウム Pd 70.6
26位 純金属 スズ Sn 66.6
27位 純金属 ゲルマニウム Ge 59.9
28位 半導体 ガリウム砒素(GaAs) 54
29位 セラミクス アルミナ(Al2O3) 36
30位 純金属 鉛 Pb 35.2

上記のランキングは、主な物質についてリストにしており、あまり一般的でない元素や、合金などは除外してありますので、ご注意ください。

また、熱伝導率は、測定温度によっても大きく異なりますので、目安としてお使いください。

熱伝導率が高い理由

ダイヤモンドやセラミクスの熱伝導率が高い理由

熱は原子の振動であり、高温になるほど振動が大きくなります。

ダイヤモンドやセラミクスの熱伝導率が高い理由は、非常に硬い(結晶格子が強固)ため、振動を伝えやすく、熱エネルギーが格子振動によって高速に伝達されるためです。

銀や胴の熱伝導率が高い理由

金属には自由電子が有り、この自由電子の移動によって熱や電気が運ばれます。

銀や胴は、電子の伝導性が良い(価数の関係で自由電子が移動しやすい)ので、電気伝導率や熱伝導率が高くなります。

 

熱伝導率が低い素材

熱伝導率が低い素材は、複合的な素材が多くてランキングにするのは難しいので、代表的なものを挙げます。

区分 物質 熱伝導率[W/(m・K)]
真空 0
気体 空気(常温) 0.0026
複合材 断熱材 0.017~0.052
自然素材 木炭(塊状) 0.07
自然素材 木材 0.08~0.14
液体 0.6
自然素材 大理石 2.8
セラミクス 安定化ジルコニア(ZrO2) 3.1
純金属 マンガン Mn 7.82
金属合金 ステンレス鋼 16
純金属 チタン Ti 21.9

 

まず気体の熱伝導率は、0.011~0.29程度と低くなりますが、気体や液体では、対流による熱伝達も考慮する必要があります。

断熱材が空気より熱伝導率が大きい、つまり熱を伝えやすいのに、わざわざ壁に入れる理由は、空気の移動(対流)による伝熱を減らすためです。

 

木材のような自然素材では、密度や含水率によっても熱伝導率は大きく変化します。

木炭は、ほぼ炭素でできていますが、炭素の結晶であるダイヤモンドと熱伝導率が両極端なのは面白いですね。

この記事を書いた人
DD
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機械設計の仕事をしているエンジニアのDDと申します。
技術士(機械)の資格をもっています。
このブログでは、機械技術から日常の中の科学まで、私が興味を持ったことをできるだけ解りやすく紹介しています!

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