デシベル(dB)とは?意味をわかりやすく解説!計算方法も

デシベル(dB)という言葉を耳にしたことがあるかもしれませんが、その意味について詳しく理解している人は少ないかもしれません。

デシベルは音の大きさや強さを表す単位として広く使われており、音響工学や音楽、通信などさまざまな分野で重要な役割を果たしています。

この記事では、デシベルの基本概念や計算方法についてできるだけわかりやすく解説します。

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デシベルとは

デシベル(dB)は、音の強さや大きさを表す単位で、音圧レベルや音のエネルギーの比率を対数スケールで示すものです。

デシベルは対数的な単位であり、音の強さの大きな変化を効率的に表現するために使用されます。

音の強さが10倍になると、デシベルの値は20 dB増加します。

このように、デシベルは非常に大きな範囲の音の強さを簡単に表現するために便利な単位なのです。

騒音計

デシベルを使う理由は人間の耳が高性能すぎるから

なぜデシベルを使った方が良いのか、チコちゃん風の見出しをつけてみました。

人間の耳のダイナミックレンジ

人間の耳は、非常に広いダイナミックレンジを持っています。

ダイナミックレンジとは、聞こえる音の大きさの範囲のことです。

人間の耳で聞こえる最小の音は、0dBで、音圧だと20μPa(マイクロパスカル)と言われ、これは、1気圧の100億分の2という極めて小さい変化です。

最大の音は120dB程度で、音圧は20Paほどなので、100万倍も異なる音圧を感じることができます。

つまり、非常に静かな音から非常に大きな音まで、幅広く感知できる能力を持っているんです。

もし私たちが音の強さを線形的に感じ取るなら、このような広範囲の音を一度に感知するのは困難です。

対数的な感覚により、

  • 小さい音の変化は拡大して敏感に感じる
  • 大きな音の変化は鈍感に感じる

ので、広い範囲の音量を感知することができるのです。

なぜ私たちの耳が音の強さを対数的に感じるのか

私たちの耳が音の強さを対数的に感じる理由は、耳が広いダイナミックレンジに対応できるように進化してきたためです。

人間の五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)は、
1,2,3・・・・
ではなく、
1、10、100・・・
というモノサシで測っていると言われています。

この特性は、ウェーバー‐フェヒナーの法則として知られています。

ウェーバー・フェヒナーの法則:人間の感覚量は受ける刺激の強さの対数に比例する

このようになったのは、生存にとって重要な音(例えば、捕食者の足音や仲間の声)を適切に感知するために、耳が対数的な応答を発達させたと考えられます。

これにより、私たちは環境中の重要な音を効率よく検出し、反応することができるようになりました。

デシベル(dB)の計算方法

デシベルは、音圧レベルの比率を対数で表現したもので、次の式で計算されます。

デシベル

P:測定された音圧

P0:基準音圧(20μPa)

デシベル(dB)と音圧の関係を表にまとめると、次のようになります。以下の表では、音圧の基準値として20マイクロパスカル(μPa)を使用しています。

たとえば、ある音が基準音圧の10倍の強さである場合、その音は20 dBとなります。

デシベル (dB) 音圧 (Pa) 音圧の比率 (P/P₀)
0 dB 0.00002 Pa 1
20 dB 0.0002 Pa 10
40 dB 0.002 Pa 100
60 dB 0.02 Pa 1,000
80 dB 0.2 Pa 10,000
100 dB 2 Pa 100,000
120 dB 20 Pa 1,000,000
140 dB 200 Pa 10,000,000

デシベルの計算は、音圧だけでなく、電力やエネルギーの比率を表現する際にも使用されます。

例えば、信号処理や音響工学では、信号の強度やエネルギーをデシベルで表現することで、非常に小さな変化でも簡単に比較することができます。

一般的な音と騒音レベル(デシベル)の例

デシベルの単位を理解するために、一般的な音と騒音レベル(デシベル)の例をいくつか示します。

音の種類 デシベル (dB) 説明
かすかな呼吸呼吸 10 dB ほとんど聞こえない静かな音
静かな図書館図書館 30 dB 非常に静かな環境
普通の会話会話 60 dB 日常的な会話の音量
混雑した街の交通音交通 80 dB 忙しい都市の典型的な騒音
ロックコンサートコンサート 110 dB 耳が痛くなるほどの大音量
ジェット機のエンジンジェット機 130 dB 耳に痛みを感じるほどの音

この表からもわかるように、デシベルは非常に幅広い音の強さを示すことができます。一般的に、70 dBを超える音量は長時間の露出で聴覚に悪影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。

まとめ

デシベル(dB)は、音の強さを対数スケールで表す非常に便利な単位です。

人間の耳が持つ広いダイナミックレンジに対応するために、対数的に音の強さを感知する仕組みが進化しました。

数式は少し難しいですが、人間にとって自然なものだということが解ると思います。

この記事を書いた人
DD
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機械設計の仕事をしているエンジニアのDDと申します。
技術士(機械)の資格をもっています。
このブログでは、機械技術から日常の中の科学まで、私が興味を持ったことをできるだけ解りやすく紹介しています!

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